世の中に”完全確率”を理解していない方は意外と多いです。
そんな確率の不思議と、FXでの確率との関わり方の話。
まずはおさらいから
ネットに転がっている”笑い話”として有名なのがこの記事。
http://www.asahi-net.or.jp/~rp9h-tkhs/kakuri01.htm
「サイコロをふって6が出たとき次も6が出る確率は
1,高くなる 2.低くなる 3.変わらない
正しいものを選べ」
で、この筆者の答えは2。
もちろん、超恥ずかしいレベルの間違いですが、この辺が確率の怖いところなのかも知れません。
ちょっと問題もおかしい(何と比べてか、が抜けている)んですが、まぁ正解はもちろん3です。
最初に振った時となんら変わらず、常にサイコロを一度振って6が出る確率は1/6ですもんね。
(目が多いほうが厳密には軽いから6はちょっと出やすい、とかそういう話は置いといて…ですw)
ほとんどの学生は3を選ぶから、学力低下が心配だ、みたいなことを言ってますが、正直”釣り”レベルの間違いですw
勝率1/2のコインゲーム
キャッチしたコインが表か裏か、というゲームがあったとして、特に細工がなければ確率はどちらも50%。
無論、表が10回続いたからといって、次に裏が来やすいなんてことはあり得ません。
こういったその都度試行される確率ゲームにおいては、過去の結果などなんの影響も与えないのが普通です。
これは前述の話と全く同じ。
じゃあFXの勝率ってどうなの?
たまに、FXは勝つか負けるかしか無いから、確率は50%だ!と言う人がいますが、これは乱暴。
ここで50%なんて言い切るには早すぎます^^;
まず、FXはそもそもトータルが100%では無い。
スプレッド・手数料、仮に往復で5%だとすると、結局実質の実入りは95%分しかないです。
まぁ、それは置いといて…もっと根本的に……
そもそも何をもってしてFXで勝つとか負けるとかを定義してるの?という疑問。
つまりは、どうなったらその人にとって勝ちで、どうなったら負けなの?ってことがイマイチはっきりしてませんよね。
具体例を3つほど
FXはスプレッド・手数料がありますから、ポジった瞬間といえば(よっぽどラッキーな時をのぞいて)マイナスですわな。
「負けの定義=マイナス」ということなら、「FX=100%負ける」ってことになりますよね?
また、
ポジってから1000pipsの含み損のところまでいってしまい…その後反転し、二年越しに+10pipsで利確出来ました!
これって勝ち…でしょうか?
僕は負けに等しい勝ちだと思います。
負けに等しい勝ちって確率でどうあらわしましょう…なんか禅問答みたいww
はたまた、
ポジって逆行したから倍ナンピン、また逆行で倍ナンピン、その後反転したのでトータルでプラスになったところでまとめて決済。(つまりポジションによっては損切り)
これはどうです?
もろCashRushなんですが、確率でちゃんと表現出来ますかね…?
FX手法をひとくくりの確率で語るのはちょっと難しい
以前、月利で語るのは難しい、という記事を書いたんですが、それとも良く似ています。
結局確率をうまく利用できる場面ってあんまり無いんですよね、実際は。
どう行動していくか、どういう結果が出たかの方が遥かに大事です。
過去のトレードの勝率が仮に70%だったとしましょう。(利益:損=1:1と仮定)
直近のトレードで負けた場合、次のトレードは勝ちやすくなりますかね?
完全確率理論なら、もちろん正解は”ならない”
次のトレードも勝率は70%。つまり7割勝てるが3割負ける。
とくに有利になるわけではない。これが基本。
FXの場合…そうもいかない…かも?
ここからがFXの確率のちょっといやらしいところなんです…。
Zスコア、というものがあります。
詳しい説明はがっつり省きますが、
Zスコア>0なら、負の従属性(勝ちの後は負け易い、負けの後は勝ち易い)
Zスコア<0なら、正の従属性(勝ちの後は勝ち易い、負けの後は負け易い)
こんなような「事象の従属性」の指標です。
myfxbookでも計算されて表示されてます!
http://www.myfxbook.com/members/EAlabo/lightningscalper/1167189
↑詳細統計ってとこの右下のあたりです!
前述のサイコロの事案、コインの事案ではともにZスコアは0なはず。(実試行でも回数を増やせば限りなく0に近づくはず)
ですがFXの手法においては、如実に差が出ます。
勝った後は次も勝ちやすいEA。
負けた後に次は勝ちやすいEA。
実際に両方存在してしまうんです。
勝ちと負けの関係性にいろんなパターンがあるということです。
前述の話に戻しますと、勝率70%だったものが状況によっては、75%になったり65%になったりすることもあり得る、ということです。
手法次第で結局前トレードの結果に影響を受ける(こともある)
トレードが順張りなのか逆張りなのか、それともドテンタイプなのか…とにかく手法と密接に関係してきます。
さらにそこにナンピンなんかも加味されてもう…単純なものではありませんw
だから勝率を気にするべきなのは、「利益:損失=1:1」みたいな、ものすごくシンプルなトレードくらいでいいんですよ、実際は。
というかそれ以外はもうややこしくて…勝率気にしてたら墓穴掘るだけです。
だから勝率は過去の分析用のものと割り切って、あまり気にしすぎない方がうまくいくのかな~と個人的には思ってます。
また期待値計算にしても、そもそもの前提が崩れちゃってる手法も多い。
トラリピとかCashRushなんてその代表格ですね。
だって実際CashRushって勝率99.9999%ですよw
1決済あたりの勝率ですが。(前項参照)
でも負けたら口座破綻…そういうEAです。
ボタン一度押したら100円もらえるけど、10万回に1回爆発するボタン、です。
一度で爆発する人もいるでしょう。
そういう人には勝率0%。
でも100万回押しても爆発しない人もいるでしょう。
そういう人は勝率100%。
こんなもん確率とか期待値とか…そういう話だけじゃ到底解決できないですよねw
確率だけで勝てるほど甘くないFX
さぁ、何が言いたかったのかよくわからなくなってきましたが、まとめ!
完全確率は一応理解しておくと実生活で得することがホント多いです!
パチンコパチスロ麻雀、ほとんどのギャンブルもこれで勝てます。
が、FXはそれだけでは勝てない…なんというかムカつく人間味的な要素だらけの世界w
目の前の女性に告白して付き合える確率なんて…測れませんもんね。そういうことです……。