スイスフラン暴騰による巨額の追証発生で、にわかに話題になっているのが海外FXでよくある追証なし口座、
通称「ゼロカット口座」です。
顧客の想定外の損失を全てカバーしてくれるというこのシステム。
利点は十分ですが、本当に正しく理解出来ていますでしょうか?
ゼロカットに潜むリスク、またゼロカットが可能なその理由。
今回はブローカー関係者冷や汗の「赤裸々内容」でいきたいと思います!!!
相対取引と市場取引とは?
そもそもFX口座というのは、顧客口座がマイナス残高まで落ち込んだ場合、その補填をしなければなりません。
FXはあくまでも他者との”取引”ですので、マイナス分を支払うのは当たり前なんです。
じゃないと勝った時に利益が入らないってことになりますよね?
じゃあなぜ支払わなくていい口座が存在しうるのか。
それは”相対取引”という運用業態のFX会社が存在するからです。
Yahoo知恵袋から転載(booh_beeeさん、ありがとうございます。)
市場を通さず、FX会社と顧客との間で為替売買が締結する事を相対取引と言います。
又は、店頭取引とも言います。店頭で物を買うのと同様、そのお店(FX会社)が提示したレートで売買がなされるからです。反対にFXには相対以外に市場取引があります。
これは、現在、東京金融取引所などが提供する「くりっく365」がそれに該当します。何が異なるかと言いますと、相対取引はドイツ銀行、バークレイ銀行など各国の銀行と取引きをしてレートを提示して貰い、それに手数料分のスプレッドを追加してレートを顧客に提示している云わば中間業者・ブローカーな訳ですが、概ね不透明さが残ります。
が、市場取引の場合は、市場で決定されたレートで参加企業は取引きをするので透明性は相対業者より高いかと思いますし、市場参加にあたっては各社審査基準がありますので、相対業者にありがちな夜逃げや信託保全を謳って、実はしていなかったなどと言ったトラブルも必然的に低いでしょう(絶対安全ではありません)
市場取引の場合は、相対業者と比較し税金が安いのが特徴です。中長期の運用でしたら、くりっく365は税金が安く安心感も強いかと思います。
今まで市場取引きのメリットを述べましたが、相対業者にもメリットはあるから使われている訳です。
メリットとしては、売買手数料が無料の会社が殆どを占めますので、デイトレードや短期トレードには税金分を考慮しても稼ぐトレーダーには非常に有利です。例えば、市場取引業者は売買ごとに手数料を徴収していますが、日計りで一日に何度もトレードしますと、手数料分だけで相当な金額にのぼります。そういったデイトレーダーや比較的短期的な売買を行う個人の投機筋には相対業者は非常に重宝される取引だと言えるかと思います。
海外ではA-BookとB-Bookという言い方が主流です。
A-Bookは市場取引、Bが相対取引の業者です。
実は、実際のところ完全な100%のA-Book業者は結構珍しかったりします。
※ちなみに僕一押しのTier1FXは完全な100%のA-Book業者です。法律登録上、そうなんです。だから好きなんです。
A-Bookの会社は、当たり前ですが全ての注文をインターバンクに流します。
ですので、追証発生時には当然請求する必要があります。
※今回のスイスフランの件に限っては、顧客の損失を肩代わりした男前なA-Book業者も何社かあったようですが…。それはゼロカットとは違いますからお間違えの無いように…。
B-Bookは基本的に自社内で注文を処理します。
その為、ゼロカットサービスやあり得ない低スプレッド、その他ボーナスや食品プレゼント(笑)など特典が盛りだくさん!
最高じゃないですか!
……しかし、実は一流トレーダーはみなA-Bookを使います。
なぜか?
B-bookは顧客の注文を全て、あるいは負け組のみ自社だけで処理します。
そのため、損失(口座マイナス)も肩代わりすることが可能です。
それが海外FXで採用しているブローカーが多いゼロカットという仕組みです。※もちろん海外でも普通の会社は多いですよ。
顧客の注文を実際は流していないため、会社としてはマイナスにならないからです。
これは競馬のノミ行為と揶揄されることもある、少し汚い儲け方です。
なんせ、「顧客は負けるものである」という大前提の下に成り立っている業務形態ですからね。
残念ながらほとんどのFX会社はB-Book業者で、特に日本国内のFX業者はほぼ全てがB-Book業者になります。
もちろん、顧客に利益が出ている場合は当然会社の持ち出し(赤字)になります。
仮になんらかのトレードで超爆益になったとして、こういった業者が出金に素直に応じてくれる可能性があるでしょうか?
だって出金させたら会社は大赤字です。なんやかんやといちゃもんつけられて当然です。
B-Bookの会社で勝ち続けると突然口座凍結されるという話を聞いたことがありませんか?
勝つ客は要らない、負けるやつだけくればいい。それが彼らの本音です。
いくら低スプレッドでも、ボーナスやっても、大部分の顧客は”トレードで負けてくれる”と確信しているんです。
そしてたまに現れる勝ち組トレーダーはB-Book会社にとって癌です。
低スプレッドを利用して勝ちまくる口座はさっさと凍結!
スイングなどで上手く勝つ口座だけは特別に個別でインターバンクに流すように設定。
※もしくはあくどい会社になると個別にスリップやスプ拡大調整。
つまり凍結されず、なおかつ勝っている人は「ある程度ゆったりしたトレード(カバー可能)で、なおかつ大きめのロット」という感じだと思います。
まぁ、今度はすべりまくると思いますが…w
こういったことがB-Bookでは当たり前におこなわれます。
ちなみに国内の業者もゼロカットは採用可能なんですよ?しないだけです。
理由はこんな感じ。
<国内相対業者の特徴>
インターバンク以下の低スプレッド。
口座開設で何万円プレゼント!みたいなキャンペーン。
ゼロカットはせず、取れる分は全部取る。(国内なので債権回収がまだ容易なため)
スキャで抜かれまくったら即凍結。
<海外ゼロカット採用相対業者の特徴>
スプレッドは普通かむしろちょい悪い。
でも最大のウリはゼロカット!(というか世界相手に債権回収大変だもの)
さらに入金ボーナスがド派手!
顧客口座いじくりまくりw
債権回収のところに結構本音があったりするんですが、まぁこんな感じです。
本当にFXで勝ち続けたいなら、ゼロカット採用業者や国内のノミ系業者(クリッ○やDM○等)は選ぶべきではないでしょうね。
なんというか、上手く付き合う必要があります。
ちなみに上手にやっているブローカーは、流す流さないをそれこそ顧客ごと口座ごとに細かく設定しています。
追証ゼロは非常にありがたいことですが、同時にそれだけの対価、つまり「目に見えていない」損失を顧客が負い続けている、ということは認識しておく必要があります。
タダで負けを補填してくれる会社なんてあるわけもなく、当然裏があるわけですね。
まぁそれでも飲みつつ追証も取る国内業者よりは十分良心的に感じますが…w
B-Book「お前らどうせ負けるんだろ?その方が俺らは嬉しいからwwwボーナスなんていくらでもくれてやるし、スプも見た目上狭くしてやるし、さらにゼロカットだぜ?ガンガン金使えや!!!」
って言われているような気がしてならなくて……
まぁ僕的には、主要なトレードでゼロカット口座を使うメリットはほぼ無い、という感じです。
例えばトラリピとか、僕のEA「CashRush」なんかでは、ゼロカットのメリットは大きいんですけどね。
ま、時と場合によりけり……ただ、ゼロカットってそういうことよ?って知って欲しかったんです。
そもそも、リスク管理は自分でするしかないのがFXだと思ってます。それが出来ないならそもそもトレードはすべきでない。
A-Book業者は、心から顧客の利益を願ってます。
なぜなら収益は「手数料(スプレッド)収入」のみ。
つまりそれしか自分達が儲かる道が無いからです。
A「顧客の利益=自社の利益」
B「顧客の利益=自社の損失」
どちらがいいかは、一目瞭然なんですけどね…。
※この記事は特定の会社に向けて書いた記事ではありません。あくまでも業界の一般論を僕が勝手にまとめたものです。間違いや勘違い等あるかも知れません。温かい心でおゆるし願います。
ごめん、これ書いてあること逆じゃない?
ゼロカットの業者はノミ行為をしていないの間違いでは?
コメントありがとうございます!
ちょっと分かりにくいですかね?すいません^^;
ご自身がもしノミ行為をしていたら、と置き換えて考えていただくとわかりやすいかと思います。
顧客の注文に対して、
インターバンク(他者)に流していた場合→市場でゼロを超えるマイナスが発生→マイナス分はこの時点で会社の損失→顧客に請求の必要あり
注文を全てカバーしていた場合→自社システム内でゼロを超えるマイナスが発生→会社の損失は無し(顧客口座残高分がむしろ利益)→顧客に請求の必要無し
と、こんな感じです。
同じことが起きた場合、ノミ業者では大きな利益になりますが、直結の会社では大きなリスクになります。
ちなみに海外口座の場合ですとさらにちょっと複雑で・・・(請求の権利・コストの問題)
ノんでいなくても実質的にゼロカットになってしまっている業者もあります。
逆に国内証券の場合は、ノんでいるにも関わらず追証をきっちり取り立てるところが殆どです。(これは実際相当悪どいです^^;)
ですので、大衆が負けるような大相場の時(〇〇ショックなど)は、国内FXの決算がすごいことになります笑